医者向けのちょっといい情報

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医療機関のグーグル口コミはなぜ低評価が多いのか

以前にも書いたのですが、最近のお悩みごとが「Google口コミ」

ちなみに、明らかに問題のある口コミについての対策は以前の記事で書きました。

 

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 ただ、こちらにとって、いわれのない、不快な口コミであっても、Googleのガイドラインに抵触していなければ、削除されませんし、星の数で表される点は口コミが削除されても残ってしまいます。Googleで検索すると、トップページにどーんと出てきますので、いやでも気になりますね。

知り合いの先生にも、これでお悩みの先生が多いのですが、なんとなく、飲食店やほかのサービス業に比べても、点数が低い気がしますね。自分の経験なども交えて考察してみました。

医療機関はミスがなくて当たり前

「あたくし、失敗しないので!」

なんかのドラマでありましたねえ。あれは、整合性はともかくとして、痛快ですし、医師が見ても面白いドラマでしたが、あれが、患者さんの考える、あたりまえ、なんでしょう。

もちろん、医師はミスを犯してはいけないと、常々自分を戒めてはいますし、診断がはっきりしない時は、可能性のあることについて、慎重に説明しているつもりです。もちろん、致命的なミスや訴訟の類いは経験ないのですけど、細かいところでは、やはりミスして、患者さんにご迷惑をかけたことはありますね。そういう場合、患者さんからお怒りを受けたり、口コミを書かれるのは仕方ないと思いますけど、実はそういうケースはあまりないと思います。

例えば、診断も的確、治療も成功し、治りました!という話になると、感謝の口コミを書いてくれてもいいのになー、と思いますが、ある意味それが当たり前のことですし、わざわざネットに書こうとは思わないのでしょうね。逆に、何か問題が起きたときに、腹立たしい気持ちを晴らすために、書き込もうとする人の方が圧倒的に多いようです。

 

 

病院は困ったときにいくところ

そもそも、病院は困ったときに行くところで、それが飲食店などとは決定的に違うところです。元々ストレスのある状態でいくので、ちょっと耳にいたい話をされたり、不安が解消されなかったときに感じる苛立ちや怒りも、相応に強くなるものかと思います。

一人の患者さんにかけられる時間は少ない

正直、来院数と診察時間の関係からいっても、一人の患者さんに多くの時間はかけられません。例えば、一人に20分かけてじっくり話せれば、あまり納得のいかない話でも、こちらの誠意は伝わるでしょうけど、全員にそれを行っていると、8時間の診療で24人しか診察できません。診療科にもよると思うのですけど、それだけではクリニックの運営がなりたちませんし、待ち時間も膨大になってしまい、そのことでもクレームが出てしまいます。

ただ、些細なことや、明らかに異常がない場合でも、本当に心配している、神経質になっている患者さんもいらっしゃいますので、そういう患者さんのお話を手短に済ませようとした場合にトラブルになることが多いです。どうしても、急かされた、ぞんざいに扱われたという印象を持たれてしまいます。

医師に対しての感情

自分は20年以上医師をしていますが、昔に比べて、医師に対しての評価や感情的なものは悪くなったように思います。いろいろな医師の犯罪も尾びれがついて報道されることが多くなりましたし、いろいろな意味で要求されるものも増えました。インターネットの普及で、大事なこと、どうでもいいこと、間違ったことがごちゃごちゃに提供されるので、いわれもないことで悪い感情を抱かれていることもあります。

 

 

接遇の問題

今はどうかわかりませんが、私が医学部にいた頃は、少なくとも接遇に関しての授業などはありませんでした。そもそも、診療に対して、サービス業という概念がありませんでしたので、医師の方にも「診てあげる、治してあげる」という、多少上から目線的な態度が出るのかと思います。元々、お客様は神様的な考えが日本には強いのですけど、近年、特に強くなってきたため、接遇上のトラブルも多いのです。医療機関の口コミを読むと、受付なども含めて、態度が悪かったという書き込みも多いです。

真面目さが徒になる

ほかの知ってる先生のクリニックの口コミを診ていると、真面目な先生なんだけどなあ、と思うことが結構あります。多分、治療について強く指導しすぎたり、患者さんの言うことや処方の希望を否定してしまったりしたときに、患者さんとしては不快に思うこともあるだろうなと思います。正しいと思うことでも、時には譲歩が必要でしょう。

さいごに

ポイントにしてまとめてみると

  • 基本的には成功はカウントされにくい、失敗は高い確率でカウントされる
  • 昔と違い、医療機関にもしっかりした接遇が求められる
  • 時間を要するところを急かすとトラブルになりやすい
  • 現代では医師に対する世間の目は厳しい
  • 正しいことであっても、指導や説明で患者さんを追い込みすぎるのはトラブルの元

以上のようなことに注意して振る舞うしかないのかな、とは思います。Google口コミだけでなく、いろいろなニュースや書き物を見ても、すべての患者さんに画一的にこれでOKみたいな対応はないので、ある程度のトラブル、ネガティブな口コミも不可避なものでしょうから、必要以上に気に病むことなく、改善すべきところを改善していくしかありません。