医者向けのちょっといい情報

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オンライン診療(遠隔診療)について調べてみた

最近の話題であり、今回の診療報酬改定で、オンライン診療料が新設されることも耳に新しいですが、オンライン診療(遠隔診療)について調べてみました。ちなみに以前の記事はこちら。 

www.savingdoctor.com

 

ちなみに私のクリニックでは導入していませんし、業者さんの話やセミナーも受けたことはありません。以下の内容も、かいつまんで記載したものなので、内容的に不正確なものや誤ったものがあるかもしれませんので、参考程度にお願いします

オンライン診療(遠隔診療)とは

遠隔診療には2つのタイプがあり、医師と患者の間で行うものと、医師と医師の間で行うものに分けられる。僻地、遠隔地にいる患者さんとテレビ電話等で対話し、会話内容や送られたデータを元に、診察を行うものが前者で、いわゆる遠隔診療というとこちらを指すものになります。ちなみに後者は、遠隔地の医師が、専門外の分野、判断困難な症例について、コンサルテーションするようなもので、画像診断や病理診断が主なものとなります。

 

オンライン診療に対する、厚労省などの見解

医師の診察は対面が基本で、このことは医師法20条が云々と言わなくても、認知されていることです。

実際1997年の健政発第1075号では、診療は医師と患者が直接対面して行われることが基本であり、遠隔診療はあくまで対面診療を補完するものとして行うべき、と記されています。また、初診や急性期には行うべきではない、僻地などでどうしても対面診療が困難な場合に考慮されるべきなどといった内容になっており、基本的には否定的な見方になっています。ただ、近年の通知では、禁煙外来についてはOKであるとか(以前の記事を参照) 

www.savingdoctor.com

 

患者本人と確認できるようであればSNSなどでも可能といった表現が出てきて、やや締め付けが緩くなったような印象があります。それでも、クリアすべき条件として、

  • 初診や急性期ではない、慢性期の患者
  • 患者側から要請があり、かつメリットがある場合
  • 急変時の対応や連絡を確立できる
  • 機器の使い方や故障時の対応をきちんと説明、理解してもらう
  • 診療に関しての全責任は医師が負う

などなどが提示されていて、いろいろ条件付きなのは変わっていません。 

オンライン診療料、医学管理料

今まで再診患者に対してオンライン診療を行った場合、「電話等による再診料」と「処方箋料」は算定できるものの、外来管理加算や特定疾患療養管理料などについては認められていませんでした。これに対して、今回の診療報酬改定で、オンライン診療料やオンライン医学管理料なるものを新設し、多少のコストの補填を行うというものです。

条件として、

  • それぞれの算定は月1回まで
  • 初診患者は算定できない
  • オンライン診療の割合が多い医療機関は算定できない
  • 一定の間隔で対面診療を行う必要がある
  • オンライン診療は、保険診療機関に設置されている情報通信機器で、対面診療と同一医師が行うこと
  • 急変時などに規定の時間内に診療できる体制を整えていること

なんか…いつもながら面倒くさいですけど、こういう条件をどうやって検証するんでしょうか。どうせ、最初はざるのように流しておいて、半年ギリギリになってまとめて査定してくる作戦なんでしょ?とか思ってしまいますけど…。

オンライン診療の問題点(私見)

今実際にオンライン診療を行っている医師の方が、適切な意見を言えるんでしょうけど、私が考える問題点を列挙してみます

  • 初診(一定期間以上通院間隔が空いてしまった人を含む)は対応できないと言うことが理解できず、クレームを入れてくる患者さんが多そう。
  • オンラインとはいえ、画面の前で対応するわけだから、時間的な拘束は変わらないか、むしろ増えそう。
  • 実際に異変が起きているときに、オンライン診療では十分な情報が得られず、対応が遅れる可能性がある。
  • クリニックの医師が一人しかいない場合、通常診療と並行して、うまくこなすのが難しそう。
  • 元々、時間的余裕の少ない患者さん相手なので、時間通りみてくれない、すぐにみてくれないというクレームが多そう。
  • 診療報酬が増えると言っても、対面よりは点数が低いと言うことなので、高額なシステムを導入するとペイできないかも。 
  • 料金徴収のため、カード決済を導入しないといけないが、それにも導入費用、手数料がかかり、さらに負担が増す。

こういう感じでしょうか。最近、医系予備校と並んで、メ○レーのDMも毎日のように来るので、ちょっとウザいのですが、一度、話を聞いてみないとなあとも思っています。

 

保険外診療とオンライン診療

一方で、保険外診療については、こういった縛りを受けませんので、原則初診もOKですし、何でもありの状態ですけど、どこまでやっていいのか分かりませんね。

AGAやシミの外用、禁煙外来(これは保険適応あり)などが相性が良さそうですけど、そういうのは大手の美容クリニックがズカズカやってくると、小規模なクリニックは対抗できないと思いますし、保険外であっても線引きをしないと、いろいろトラブルが起きそうで怖いです。

まとめ

診療報酬改定で料金の設定が行われることになったオンライン診療ですが、私自身は、まだ、診療に対する考え方が古いのもあって、採算面以外の理由でも導入する気にはなれません。

時代の流れで、そういうものがあってもいいと思いますが、やっぱり、診察は対面が原則だと思います。もう少し、事の推移をみまもりたいですね。