医者向けのちょっといい情報

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部活が忙しくて…

お子さんの患者さんと保護者の方が一緒に来たときに、よく聞かれる言葉が、「部活が忙しくて…」という言葉。医師の側からすると、必要ない人には再診を勧めないですし、予定を融通してほしいのですけど、なかなか話が進まず…。

中高生の部活は強制的なもの?

自分の時の中高は、部活の強制はありませんでした。なので、適当な学生生活を送っていたなあと反省することもありますけど、ちょっと調べてみました。

以下のデーターは、文部科学省の運動部活動等に関する実態調査を参考、引用しています。

この資料の中で、部活に対して、中学校長にアンケートをした結果が出ていますが、

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基本的には部活は生徒の希望という考えが主流ですが、公立中学校では、30.4%もの校長が、部活は全員参加するものである、という回答をしています。実際、建前では希望制でも、実質強制的に入部させられる学校もかなり多く存在していると聞きます。

 

どのくらい忙しい?

私が診た中学生の患者さんは、ある運動部でしたけど、1週間のうち、部活がないのは1日だけで、土曜日も日曜日も練習が入っていました(一応自主練??)。それじゃあ、ということで、その曜日に来てもらっているのですけど、「すごく大変だなあ」と感じました。実際それを裏付けるのが下記のデータです。

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やっぱり、ほとんど毎日部活しているんですねえ…。 

部活をすることの意味

さて、誤解のないように言っておきますと、私は部活の存在に否定的なのではありません。部活で得られた人間関係や、一つのことに打ち込んだという思い出は、今でもそれなりの財産になっていますし、それが全くない学生生活はさぞかし暇を持て余しただろうなあと思うからです。

ただ、大学に至るまでいくつかの部活をしましたが、それが現在の社会生活について、直接大きな実益があるかというと、それはないとしか言い様がないですね。

運動部に所属して、ある程度のレベルまで上達するとしても、それを生業とできる人はごくわずかで、ほとんどの人にとっては学生時代のよき思い出にしかなりません。文化部でも基本的には一緒だと思います。

 

部活はどうあるべきか

個人的意見ですが、部活動は、強制的なものでなければ、各人が好きなだけやったらいいと思います。自分は、強制的でない部活を高2の終わりまでやってましたが、塾通いとも両立できましたし、きちんと現役で国立の医学部に合格できましたので、やってやれないことはないです。

部活も勉強も人から強制されてだらだらやっていても、成果は出ませんし、特に運動系の部活の場合、無理がたたって怪我をしたり、体調を崩す恐れさえあります。

あと、どんなことにも才能というものがあり、頑張れば、全員がものになるというわけではないので、部活動も、全員一律毎日ハードな練習をするのは、無駄が多すぎると思います。上達しないけど、楽しくマイペースにやりたい、好きな回数活動したいというのも許容されるべきですが、見ている限り、許容されない学校も結構あるようです。生徒の側だけでなく、教員側にも大きな負担になっていると聞きますので、しっかり考え直すべきでしょう。

物事の優先順位と要領

学校に行く目的として、第一にまず「お勉強」というのは間違いないです。例えば、医学部を志望する場合、高校で教えられたことのみで入試をクリアするのは難しいかもしれませんけど、学校でお利口さんにしていれば、受験勉強に精を出さなくても、推薦入試という手もあります。自分は全く気づかなかったので、内申点がボロボロで、年末になっても余裕をぶっこいている友人がうらやましかったのを覚えています。

例えば、病気の治療で月1回の通院が必要な場合に、要領のいい子は、きちんと都合をつけて来ますが、部活が…塾が…といってなかなか来ない子は、薬が切れたりして病気のコントロールもよくないですし、いざひどくなると結局余計に時間を取る羽目になってしまいます。もちろん、このご時世で、親御さんも共働きでなかなか都合がとれないなどの問題もありますが、物事に優先順位をつけて、うまくこなすことは大人になるまでに習得した方が何かとお得です。

そのためには、学校生活にもある程度の余裕が必要で、やれ宿題だ、部活だと予定を詰め込まれてしまうと、自分で何かする余裕がなくなってしまいます。昔、円周率は3でいいとか変なゆとり教育が議論された時期がありましたが、そういうゆとりでなくて、自分で計画を立てたり、将来を考えるための時間的ゆとりですね。

 

まとめ

今日は部活について思ったことを書きました。勉強だけでなく、部活も学生生活のなかで大事なファクターですけど、人にはそれぞれの個性や才能があると思いますので、画一的に多くの時間を割くことを強制するのは、いろんな意味で無駄の多いことですから、今後大いに議論して、方向性を変えていって貰いたいですね。