最近多いのが、「勉強会、講演会」。大学の医局に所属していたときは、結構でていたのですが、最近はあまり行かなくなりました。
講演会の種類
- 学会や医会主催のもので、専門医の単位などに関係するもの
- 大学や基幹病院主催のもの
- 製薬会社主催(共催)のもの
ざっくり分けるとこんな感じでしょうか。学会主催のものは、専門医の維持にも関係してくるものがあるので、ある程度義務的に参加するものも多いですが、内容的にも、専門分野の最新知識とか、聞いておいたほうがいいものも多数あります。
大学や基幹病院主催のものは、主に近隣の開業医や関連病院の先生を対象にしており、自分のところで、どのような診察を行っているかの告知的なものや、先生同士の交流目的であることが多いと思います。
製薬会社の仕切る講演会
以前から、医者向けの製薬会社が絡んだ講演会はあったのですけど、以前にも増して、やたら増えた気がします。そもそも、製薬会社が関係してくる講演会は、製薬会社に取っては宣伝の意味合いが強いです。この手の講演会は、だいたい、
- 主催(共催)製薬会社の薬剤の説明(5〜10分)
- 開会の辞
- 30〜60分の講演が1〜2演題
- 情報交換会
という流れになっています。講演会の内容は、有意義なものもあれば、「ああ、それ何回か聞いたわ」という内容のものもありますし、ある薬剤の使用経験について、などの特定の薬剤の宣伝に偏ったものもあります。どちらにしても、あまり心をくすぐるような内容のものは少なく、最近はあまり行かなくなりました。
若いときに思ったこと
研修医などの時は、この手の講演会は比較的喜んで行っていました。理由としては
- 教授にきちんと行けと指示されたから
- 医局関係の先生が講演するから
- 交通費、タクシーチケットがでる上に、ホテルのバフェのような食事がタダで食べれるから(情報交換会)
- 講演会が終わった後、その足で繁華街に飲みに行けるから(当然自腹)
大学勤務の時は、だらだら病院に縛られることが多かったので、なんとなく開放感もあったんですよね。また、教授から言われて自分も講演したことがあり、当然のことながら、講演料が頂けるのですけど、まだ薄給のご身分としては、それがすごくうれしかった記憶があります。どちらにしても、純粋にお勉強しますという理由ではなかった気がします。
接待がなくなった
最近、やたら講演会が増えたのは、やはりこれでしょうね。製薬業界は、10年くらい前から、個別の接待を自主規制でやらなくなりました。「早く料亭に行ってみたい」といった国会議員もいましたけど、今時は、接待というととにかく悪いイメージしかなく、業界全体でバッシングを受けかねないので、復活することはないと思いますが、つくづく、「ご年配の先生はさぞかしいい思いをしたんだろうなあ」と推察いたします。
製薬会社の接待がなくなってから、当時は銀座などの高級割烹も大分打撃を受けたとか、いろいろ聞きましたけど、最近はどうなんでしょうか。多分、いまでは、IT関係や建築業界などが派手にやっているのでは??と思います。
行くべきかどうか
勉強するなら、自分で本を読んでもいいですし、学会に積極的に参加するとか、医局などのカンファレンスに参加するとか、ほかのやり方もあるので、特に製薬会社の行う講演会に行かなくてもいいと思います。開業医をやっていると、平日、なかなか診療時間内に終わらなくて、結果間に合わない事も多いです。また、ある程度の年齢になると、お仕事以外にもやることがありますので、なかなか仕事が終わった後や休診日に時間を取って会合に行くと言うこと自体が負担になってきますしね…。社交的な医師は、いつもは顔を合わせない人と交流できるのも楽しいとか思うんでしょうけど、自分は、近隣のライバル医院の先生とそれほど仲良くできないと思ってしまいます…心が狭いんでしょうねえ(苦笑)
まとめ
昔は結構な頻度で行っていた講演会ですけど、最近行かなくなり、いいわけがましく記事にしてみましたが、やはり、開業してある程度の年月がたち、勉強を疎ましく思っている自分にも気がついてしまいました。
10年、20年たっても、診療の基本的な部分は変わりませんが、いろいろアップデートするべき部分もあり、きちんとでるべき会には出て、研鑽を積まないと行けないなあと反省したところです。