医者向けのちょっといい情報

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医学部不正入試問題が拡大

医学部不正入試問題がさらに大きな問題になっています。まあ、昔からいわれていたことが都市伝説でなくて、事実だったので、この機会に問題を一掃できればいいですけど。

東京医科大学の対応

以前の記事でお伝えしたとおり、101人の不正不合格者?の方々に意向を確認した東京医大でしたが、

www.savingdoctor.com

 101人のうち、49名が入学希望を出し、再度の選考を行ったところ、44名が合格になった、ということです(5名は不合格)

どういう評価、内容で合否が決まったかははっきりしませんが、不合格になった5名の方々はすごく不快な思いをしていると思います。また半数近くの方が、入学希望を出したということで、意外と多いなという印象を持ちました。このような事態になっても医学部に入りたいという希望が強いことがわかります。まだ問題はあるのですが、一応の形にはなりました。

不正入試と認定されたのは10大学

文科省がついさっきまとめを発表しましたが、医学部入試に関して不適切があったと認定されたのは、私立の東京医大、昭和大、順天堂大、日本大、北里大、聖マリアンナ医科大、岩手医科大、金沢医科大、福岡大と、神戸大(国立!)の10大学となりました。不正と認定する基準として、

  • 性別、受験回数などの属性を持って一律の加減点
  • 特定の受験生に優遇や加点
  • 同窓生の子息を優先的に追加合格

などがあったとのことですが、10大学というのも怪しいですよね。ここには出ていない(受験偏差値上で)低ランクの私立医大なとも、やっていないということはないように思いますけどね。また、国立大学である神戸大学が出てきたのも意外というか、問題の根深さがよくわかると思います。

 

聖マリアンナ医科大学はこの指摘に反論

http://www.marianna-u.ac.jp/univ/news/20181212_01_01.pdf

この10大学の中で、聖マリアンナ医科大学は毅然として反論し、
「属性による一律な評価は行っておらず、受験生を個々に総合評価した結果を基に入学者選抜を実施しております」
とコメントを出したとのことです。2017年度からは、受験生の情報に起因する資料を全て取りやめ、アドミッションポリシーに基づく行動(コンピテンシー)面接により共通質問形式に切り替えて実施しているとも記載されています。まあ、2017年度からですから、昔はどうだったの?と突っ込みたくなりますが、医師向け掲示板上では、「資質なども含めて合格者を決めるのは大学側の裁量のはずなのに、文科省も突っ込みすぎている」「聖マリアンナ医科大学の主張は正論である」「ほかの本命の大学が結果から漏れているのはおかしい」などいろいろな意見が見られましたが、比較的擁護する意見が多いように思いました。

日大医学部は卒業生の子息を優遇

日本大学医学部は、直近3年間の医学部の入試で、医学部卒業生の子息計18人を不当に優遇して追加合格させていたと発表しました。多くの人が問題と感じているのは、このような事例ではないでしょうか。属性による一律の加減点はまだしも、同窓生の子息の優遇は、何ら資質と関係なく、まさに「裏口入学」であり、ようなことを行っている大学がまず糾弾されるべきでしょう。

神戸大学は地域優遇枠で、過疎地の受験者を優遇

 国立大学でも不正!と驚いた人がいるかもしれませんが、神戸大学の場合はちょっと事情が違うようで、10名の地域特別枠の入学生を選考する際に、出身地域により0~25点の得点を加算するというものです。過疎地域ほど加点が多いため、大学によると、「より医師や病院が不足している地域で働いてくれそうな人をとりたい」という趣旨であり、個人的に誰かを優遇するということではないので、心情的には理解も許容もできます。

ただ、(100点中)25点の加点ということになると、かなりウエイトが大きいです。不公平といえば明らかに不公平なので、きちんと明記をするか、いっそのこと募集地域を限ればよかったのでしょうけど、いろいろ制約があるのでしょう。

 

今後は?

東京医科大学の問題については受験料の返還訴訟が起こるとかいろいろいわれてたことがあるので、まだ問題が終わったともいえないでしょう。再度不合格になった5名が何らかのアクションを起こす可能性もあります。

また、他大学の受験生も含めると、かなり大きな問題に発展しているのは間違いなく、今年の受験生にとっては決していい影響を与えることではないので、早く今後の方向性が定まればいいですね。