最近ちょっと話題になっている、セルフメディケーション税制について調べました。
2017年1月からスタートしたセルフメディケーション税制は、薬局で購入した市販薬を対象とするもので、年間1万2000円(税込)を超えた部分の金額(上限金額:8万8000円)が控除の対象となる。
医療費控除は10万円を超えた部分についての控除で、実際には縁のない人も多いとおもわれるが、今回は12000円だから「結構あり得るのでは?」と思わせる。
ただ、条件があって、
- 「スイッチOTC医薬品」が対象でおよそ1600品目
- 「健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組」を行っていること。例えば健康診断や予防接種。
ということである。OTCとはもともと医師の処方でしか入手できなかった医薬品が市販で購入できるようになったものであるが、逆を返せば、クリニックに行けば基本的に処方を受けられる医薬品である。
ざっくり計算すると、年収300万円の人(税率10%)が、年間8万2千円の市販薬を購入するとして、控除額が7万円、節税額は7000円となる、翌年の住民税分も約7000円減るから、14000円節税できるというわけです。
ただ、従来の医療費控除との併用はできないので、どちらか選ぶことになるし、そもそも8万2千円分の市販薬を購入する代わりに病院に行けば、3割ではないにしても、6割くらいの支出で済むのではなかろうかと思われる。まあ、多く見て、5万円で済んだとすると、医療費が3万2千円は浮くわけだから、節税効果よりも医療機関にかかったほうが安上がりである。
そもそも、健康増進への取り組みとかわけのわからない条件を付けたり、OTCでないといけないとか、非常にわかりにくいうえに、正直ほとんどだれも得をしない制度で、間違ってお金をばらまく人が出るかもしれないという、こういう仕組みをだれが考えたのか、教えてほしいものです。